応用物理学会秋季学術講演会シンポジウム (東北大学(川内北キャンパス))
「最先端で活躍するガラスとガラス状態~2022年国際ガラス年IYOG記念シンポジウム」
応用物理学会秋季学術講演会初日の9月20日(火)に「最先端で活躍するガラスとガラス状態~国際ガラス年IYOG記念シンポジウム~」が開催された。本シンポジウムはIYOG日本実行委員会及び応用物理学会フォトニクス分科会との共催で企画・開催されたものである(図1参照)。
シンポジウム最初は,名古屋大学の宮崎州正先生からガラス転移の基礎と最近のご研究成果についてご講演があった。そして,東京工業大学の西森秀俊先生から,近年注目されている量子アニーリングについての基調講演があり,スピングラス状態から発想を得て西森先生の提唱される量子スピングラスに行き着いたことを時系列的に解説していただいた。続いてD-Wave Co.のAndrew King博士からは量子アニーリング装置について最新のご研究成果をご講演された。
午後の前半では,エルビウムドープファイバー増幅器(EDFA)開発の第一人者である東北大学の中沢正隆先生の基調講演があり,光ファイバーネットワークの基礎から社会における役割や,最新のご研究成果についてご講演された。東京工業大学の雨宮智宏先生からはメタマテリアルと光伝送,特にトポロジカルフォトニクスの最新のご研究成果をご披露いただいた。そして,名古屋大学の湯川博先生から超早期がん診断用に開発された医療用ナノ多孔質ガラスデバイスについて基調講演があった。
午後の後半では,ガラスのレーザー加工の最新動向について理化学研究所の杉岡幸次先生からご講演があり,横浜国立大学の丸尾昭二先生からはマイクロ3D造形技術の開発と応用と,ガラス3Dプリンティングについて最新のご研究成果のご講演があった。シンポジウムの最後を締めくくる講演として東京工業大学の細野秀雄先生から「アモルファス酸化物半導体とその社会実装」と題する基調講演があった。IGZOへと今まさに進化を遂げているアモルファス半導体の最新動向も交えてご講演された。
(実行委員:早川知克)
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